インコは、その種類ごとにユニークな「ちょっと変わった特徴」を持っています。今回は、そんな特徴をご紹介したいと思います。
実際に飼育されている飼い主さんにとっては、個体差も大きいので「特徴」と言うより、もはや「個性」として受け入れられていることと思いますが、もし、これからインコの飼育を考えている方は、予備知識として頭の片隅に入れておいていただくことをおすすめします。
個体差が大きいことはご了承ください。

1. オカメインコ
オカメインコは、その愛らしい見た目と人懐っこい性格で不動の人気を誇るインコです。

雛のジャー鳴き: 雛の頃に聞かれる「ジャー」という特徴的な鳴き声は、親鳥に餌をねだる際の要求鳴きです。これは成鳥になっても、甘えたい時や構ってほしい時などに聞かれることがあります。

オス鳴き:これは、オスがメスへのアピールで、鳴いたり歌ったりすることです。個性的なほどもてる世界なので、決まった鳴き方と言うより、比較的長く大きめの声で、ピーピー、ピョロロ、ピャーピャーなど、にいかにもアピールしてるなあ、という鳴き方全般を指すようです。
脂粉の多さ: オカメインコは、インコと呼びつつオウム科に属するため、他のインコに比べて脂粉が多いことで知られています。いわゆる「オカメパウダー」です(笑) この脂粉は、羽毛を清潔に保ち、撥水性を維持するために分泌される天然のパウダーです。特に換羽期には増える傾向があります。脂粉は人によってはアレルギーの原因になることもあるため、飼育する際は空気清浄機の使用やこまめなケージ周りの掃除が推奨されます。

オカメパニック:オカメインコの最も特徴的な行動がオカメパニックです。大きな音や地震、急な動き、見慣れないものなど、様々な要因でパニック状態になり、ケージ内を激しく飛び回ったり、壁にぶつかったりすることがあります。骨折などの大怪我につながるリスクが高いので、普段から落ち着ける環境作りを心がけましょう。

2. コザクラインコ
「ラブバード」の愛称で知られるコザクラインコは、パートナーへの強い愛情を示すことで有名です。

コザクラ飛行機: メスが体を低くして飛行機のように羽を広げるのは、オスに対する求愛行動です。オスがやる場合もあるようです。

飾り羽根:また、巣作りの本能が強く、紙や木切れなどを細かくちぎって腰の羽に器用に挟み込み、巣の材料を運ぶ姿もよく見られます。

これらの行動は発情のサインであり、過度な発情は無精卵を産むリスクや、体力を消耗させる原因にもなるため、発情抑制のための環境調整(日照時間、食事内容、ケージ内のレイアウトなど)が重要です。
3. ウロコインコ
ウロコインコは、元気いっぱい、賢く遊び好きな性格が魅力です。

噛み癖: 若鳥の頃に甘噛みや噛み癖が見られることがありますが、これは好奇心や遊びの延長、あるいは社会化が不十分な場合に現れることがあります。多くの個体は成長と共に落ち着きますが、個体差が大きいため一概には言えません。早い段階からの適切なトレーニングや、噛んでも良いおもちゃを与えることで、問題行動を減らすことができます。信頼関係を築くことが、噛み癖の改善には不可欠です。
ウロコインコの飼育経験者としてひとこと・・たしかに他のインコに比べて、噛み癖はあります が、あくまで遊び噛みの範囲ですし、何よりウロコインコの元気で賢い魅力がはるかに上回るので、私は全く問題ありません(笑)

ため糞:野生では、糞をすることで自分の居場所を捕食者に知らせてしまうリスクがあります。そのため、巣穴にいる間は糞を溜め、外に出てから排出するという習性が備わっています。飼育下でも「ため糞」をするのは、この本能が働いているためと考えられます。ウロコインコはその特徴がよく見られることで知られていますが、サザナミインコやコザクラインコなどにも見られます。なお、体調が悪いケースも否定できないので、「ため糞」は問題なし、と思いこまずに、常に愛鳥の様子を観察しましょう。

4. サザナミインコ
サザナミインコは、おっとり控えめながらもユニークな行動が特徴です。

コウモリのような行動: ケージの天井や止まり木に逆さまにぶら下がる姿は、まさにコウモリのようです。これはサザナミインコに特有の行動で、リラックスしている時や遊びの一環として見られます。

じっとしている:わりとじっとしていることが多く、物思いにふける姿を見せます。他のインコに比べて鳴き声も小さく、比較的おとなしい性格のため、静かな環境を好む方や集合住宅での飼育にも向いています。そのミステリアスな魅力で、近年人気が高まっています。

5. ボタンインコ
ボタンインコもコザクラインコと同様に「ラブバード」と呼ばれ、非常に活発で愛情深いインコです。

紙切り職人: ボタンインコは、非常に強力なクチバシを使いこなし、紙や布などを細かく裁断して巣の材料にする「紙切り職人」のような行動を見せます。特にメスは、発情期にこの行動が顕著になります。やはり、過度な発情は健康に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。巣作りを促進するような環境を与えすぎない工夫も大切になります。

6. アキクサインコ
アキクサインコは、その穏やかな性格や美しい羽色から、多くの人を魅了しています。

薄明薄暮(はくめいはくぼ)性: 多くのインコが日中に活発に活動するのに対し、アキクサインコは日の出前や夕暮れ時に最も活発になる「薄明薄暮性」の性質を持っています。これは、オーストラリアの野生下での習性が影響しています。日没後に行動することから「ナイトパイロット」と呼ばれることもあります。日中は比較的おとなしく、鳴き声も小さめです。騒がしい環境が苦手な方や、静かにインコを飼育したい方には特に魅力的な種類と言えるでしょう。

7. オキナインコ
オキナインコは、その社会性の高さと賢さから、インコ界きっての社交派インコと言われます。

集合住宅:: 野生下では、オキナインコは群れで協力し、小枝などを集めて巨大な集合住宅のような巣を共同で作ることで知られています。これは他のインコにはあまり見られない非常にユニークな習性です。この高い社会性は、飼い鳥としても人によく懐き、飼い主とのコミュニケーションを深く楽しむことができる性質につながっています。おしゃべりも得意な個体が多いです。


8. シロハラインコ
シロハラインコは、そのコミカルな行動と高い学習能力で、空飛ぶワンちゃんと言われます。

シャケ化: 普段は温厚な子が、突然攻撃的になり、強く噛みつくことがあります。また、興奮して体を左右に揺らしたり、激しく動き回ったり、鳴き声が大きくなったり、普段とは違う鳴き方をしたりすることがあります。この状態を通称「シャケ化」と呼び、この時期は、愛鳥との距離を適切に保ち、無理に触ったり、叱ったりしないようにしましょう。しつけやコミュニケーションの取り方によって飼いやすさの意見が分かれることがありますが、その陽気で賢い性格は、一度心を掴むと手放せなくなる魅力があります。

9. ワカケホンセイインコ
ワカケホンセイインコは、日本で唯一野生化している姿が見られる中型インコです。

ワカケダンス: オスがメスに対して求愛する際に、首を大きくのけぞらせるようにして踊る姿は「ワカケダンス」と呼ばれています。このユニークな求愛行動は、彼らの魅力の一つです。学習能力が高く、おしゃべり(モノマネ)が得意な子も多いですが、大きめの声には対策が必要です。特に発情期には甲高い鳴き声を発することがあります。クールな面と愉快な面を併せ持つ個性派ぞろいのインコです。

最後に
今回は、インコの種類別「ちょっと変わった特徴」を、ほんの一部ご紹介しました。
インコはその派生種の多さを含め、解明されていない未知な部分がとても多いです。なので、きっと私たちの気づいていない、アッと驚くような特徴がもっとたくさんあるはずです。それを考えただけでも、ワクワクしますね!
身近な愛鳥さんのやること・・、飼い主さんにとっては当たり前と思っていることが、意外とよそには知られていないかもしれません。そんなコミュニケーションをどんどん増やしていければ嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。