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インコは味がわかる?わからない?その謎に迫る!

「インコには味覚がほとんど無いから、何を食べても味がわからない」という説が一般的だった時代があります。それを聞いたときは、「ええ!?、だって明らかに好き嫌いがあるし、野菜だって果物だって色んなおやつだってインコによって好き好きだし、新鮮さでも食いつきが変わるし・・、それ本当?」って思っていました。飼い主様なら誰しも「絶対に味や好みを理解している!」と確信していますよね?

ただ、最近では「全くわからないわけではない」「むしろグルメである」という説に傾いているようです。インコ自身が変化したわけではないはずなので、どうしてそのようなことになっているのか調べてみました。

「インコは味がわかる?わからない?」その謎に迫ってみました

====【ではスタート!】====

「インコは味がわからない」というのは、「インコには味覚がほとんど無い」という理由から来ているのは有名です。確かに、人間の味蕾(みらい)が約9,000個あるのに対し、インコはたった数個〜数千個(セキセイインコが十数個、大型のオウム類でも数百個程度)と、数字だけ見れば圧倒的に少ないです。やっぱり味がわからない・・のでしょうか?いきなりピンチです。いや、実は、ここにこそ落とし穴が!鳥類学や解剖学の分野で長年言われてきた「数字上の誤解」に近いものがあるのです!

ここでは、鳥類生化学や比較行動学の最新研究をベースに、「味蕾が少ないのに、なぜインコは味(そして食のこだわり)がわかるのか?」という解説を3つの根拠とともに紐解きたいと思います。

根拠1. 味蕾以外の「化学受容体」と「触角」が口内に凝縮されている

人間は舌の表面にある味蕾で味を感じますが、インコは舌の構造と使い方が全く異なります

小松菜が大好き、とくに芯がお気に入りなれもん
  • 舌の先端の硬さ: インコの舌先は柔らかくなく、硬い角質で覆われています。これは舌をフォークのように使うためで、人間の舌とは使い方が異なり、味を感じることを元々求めていないのです。
  • 口の奥や上顎に集中する受容体: インコの味蕾は、舌の根元や上顎(うわあご)、喉の奥に集中しています。食べ物をくちばしで砕き、飲み込む直前に集中的に化学物質を感知するシステムです。
  • 高感度な受容体: 2014年、京都大学などの研究で、鳥類(特にインコやハチドリなど)は人間とは異なる独自の遺伝子進化によって、特定の味(例えば糖分やアミノ酸)を人間よりもはるかに敏感に感知する味覚受容体を持っていることが判明しました。味蕾の「数」ではなく「感度」で勝負しているのです。

ポイント: インコは全身で味わうのではなく、飲み込む一瞬に超高感度センサーで味をピンポイント検出しています。

根拠2. くちばしの「メカノレセプター(機械受容体)」による総合評価

インコにとって「味わう」とは、味覚単体ではなく「食感+温度+風味+脂質」の統合体験です。

苦手な小松菜を「いらないっ!」と放り出したひすい(;´∀`)

インコのくちばしの先端には「ヘルプスト小体」と呼ばれる非常に精密な触覚センサー(メカノレセプター)が詰まっています。これにより、以下をミクロン単位・コンマ数秒で測定しています。

  • 穀物の皮の硬さ、サクサク感、粘度
  • 脂質の含有量(脂っぽいものはエネルギー効率が高いため、インコは直感的に好みます)
  • 食べ物の温度

人間でいう「歯ごたえ」や「のどごし」、「コク(油脂感)」を、インコはくちばしと舌の触感で完璧に識別しています。私たちが「味」と呼んでいるものの半分以上は実は食感や風味ですが、インコはこの「食感評価」において人間をはるかに凌駕しています。

ポイント: インコは「食感評価」において極めて優秀に「味わって」いる!

根拠3. 「高度な知能」と「報酬系回路」の連動

インコは非常に知能が高く、脳のサイズ比に対して前頭葉(に相当する領域)が発達しています。

豆苗が大好きなめりる、でも新鮮でないと口をつけません(;´∀`)

食べたものが「体にどんな良い影響(エネルギー補給、幸福感)をもたらしたか」を脳の報酬系(ドパミン回路)で強力に学習します。

  • 学習による「味覚」の補強: 「この緑の粒(ペレット)は味気ないけれど、あの黄色いシードは噛むと香ばしくて甘い脂が出てきて最高にハッピーになる」という体験が、脳内で「美味しい」という強力な味覚体験として固定化されます。

ポイント: インコは強力な「脳内味覚体験」で学習している!

結論:インコは「舌」ではなく「くちばしと脳」で味をフルコースで楽しんでいる

比較項目人間インコ
味蕾の数約9,000個(量で勝負)数十〜数百個(ピンポイント高感度)
主な感度甘味・旨味・塩味・酸味・苦味糖分・アミノ酸(旨味)・脂質感に特化
美味しさの決定打舌で感じる味覚くちばしの触角+脂質感+脳の学習(総合芸術)

つまり、「インコには味覚がほとんどない」というのは、「人間の味蕾の数基準で測った偏見」に過ぎません。よって、結論はこちら!

結論:インコは「舌」ではなく「くちばしと脳」で味をフルコースで楽しんでいる!はず。

インコは少ない味蕾を「超高感度センサー」として使いつつ、くちばしの精密な触覚と高い知能を組み合わせることで、人間とは全く別の、しかし非常に豊かな「食の美味しさ」を間違いなく理解していると考えられます。 だからこそ、お気に入りのおやつをもらった時のあの嬉しそうな顔や、嫌いなペレットをペッと吐き出すあのこだわりが生まれるのです。

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【最後に】

もちろん、実際のところはインコ自身に聞いてみないとわかりませんので、推測の域を出ませんが、きっと、愛鳥たちは自分の意思で「食を楽しむ術を持っている」と思いたいですね。

※本記事は、既出文献等を精査して作成しておりますが、表現や認識の齟齬についての可能性は否定できませんので何卒ご了承ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

〔主な参考文献〕・Evolution of sweet taste perception in hummingbirds by transformation of the ancestral umami receptor : Science (Vol. 345, Issue 6199, pp. 929–933) : Maude W. Baldwin, Yasuka Toda, Emily R. Kasago, Toshiaki Nakagita, Mary J. O’Connell, Kirk C. Klasing, Takumi Misaka , Scott V. Edwards, Stephen D. Liberles
・Anatomy of Birds / Functional Anatomy of Birds: Gillian M. King
・The Genius of Birds :Jennifer Ackerman:Penguin Press

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