多くのインコは熱帯地域出身で、野生下ではほぼ毎日水浴びをする環境にいます。ペットとして飼われているインコにとっても、水浴びは健康と精神の安定のために重要な日課の一つと言えます。ただし、水が苦手な個体もいますし、終生水浴びをしなくても問題ないとコメントされる獣医さんもいますので、あくまで様子を見ながら接するようにしましょう。
インコへの水浴びのさせ方にはいくつか方法があり、インコによって好みも異なります。そもそもなぜ水浴びが必要なのか?その方法や注意点などを整理してみました。
水浴びの理由
体を清潔にする(羽の手入れ)
羽根についた汚れ、ほこり、ダニなどの寄生虫、脂粉(しふん)を洗い流し、清潔に保ちます。脂粉は鳥の羽根を保護する細かい粉ですが、水浴びで余分なものを落とし、羽根を健康に保ちます。
また、水浴びは羽繕いを促し、羽の美しい光沢を維持するのに役立ちます。
体温調節
とくに夏場など気温が高い時は、水浴びをして体温を下げ、熱中症対策としても役立ちます。

ストレス解消と遊び
水浴びが好きなインコにとっては、楽しい遊びであり、ストレスの発散になります。
室内飼育で運動不足や余分なエネルギーが溜まってしまうと、毛引き症などの問題行動につながる可能性がありますが、水浴びはその予防にも効果的です。
主な水浴びの方法
インコの大きさや好みに合わせて、以下の方法を試してみましょう。
浅い容器・お皿を使う
陶器製のグラタン皿や洗面器など、インコがすっぽり入れる広さで底が深すぎない浅い容器に常温の水を張って置きます。濡れても大丈夫な場所で行いましょう。

霧吹きを使う
水浴びが苦手なインコや、手軽に済ませたい場合に。霧吹きで常温の水を軽く霧状にして吹きかけます。強く吹きかけず、顔にはかけないように注意し、優しく背中にかけてあげま霧吹きしょう。

流水の下での水浴び
流し台やシャワーの下など、弱く流れる水のそばに連れて行き、水流を浴びさせます。手ですくってポタポタ垂らしてあげるのもおすすめです。初めは弱めで、インコが怖がらないように無理強いはしないようにしましょう。

野菜と一緒に浴びる
容器の中に水と一緒に野菜を入れると、大喜びして浴びるインコも多いです。そして一緒に入れる野菜は豆苗が一番人気!?(食べ物の種類によってはインコたちにとって毒になるのでこちらを参照してください)

ウォーターバス(バードバス)を使う
ケージ内に専用の容器(ウォーターバス)を取り付けたり、放鳥時に床に置いたりします。
インコが自分で出入りしやすく、自由に水浴びを楽しめます。
水は浅めにし(脚が浸かる程度)、清潔を保つために水を頻繁に交換してください。
水流が楽しめる「グッズ」を使う
フラワーファウンテンという水流が楽しめるペット用給水器などを使うと、楽しみも倍増です!以前は「お水の知育」という子供の水遊びおもちゃが人気でしたが今は入手が難しいようです。ちなみに我が家にはありますが誰も遊んでくれません・・・


水浴びの際の注意点
水浴びをさせる際には、インコの健康のために特に以下の点に注意が必要です。
水の温度は「常温」にする
寒い時期でもお湯は厳禁です。お湯を使うと羽の撥水に必要な脂(脂粉)を落としすぎてしまい、体調を崩す原因になることがあります。必ず常温の水を使いましょう。

部屋の温度を適切に保つ
とくに冬場は、水浴びをする部屋を十分に暖めておくことが重要です。インコは寒さに強くない個体がほとんどですので気を付けましょう。

無理強いはしない
水浴びが好きではないインコもいますので、様子をよく見て無理強いはせず、インコの意思に任せましょう。・・・とは言え、一度嫌がったからと言っても、気分や成長と共に好きになる場合もありますので、定期的にチャレンジさせてみるのがよいかもしれません。

水浴び後のケア
水浴びの後は、羽が自然に乾く時間を確保します。風通しの良い、暖かい場所にケージを置くなどして、羽が乾くまで見守りましょう。ドライヤーで乾かす場合は、遠くから風を当てて、熱すぎないように注意し、インコが嫌がらない範囲で行います。

水は都度交換
水浴び容器の水は、清潔を保つためにその都度交換しましょう。

【番外編】これも水浴び!?
チョビ浴び
水が苦手な我が家のれもん先輩の決死のみずびがこちら。
苦手だけど、やってみたい、やってみたいけど、やっぱり苦手・・そんな葛藤がよくわかります(笑)
素潜り(水中で目を開けるインコ)
水浴びが大好きすぎて、素潜りしちゃうのが我が家のひすい。そして水中で目を開けちゃいます!生で見ると圧巻です・・!
以上、インコの水浴びについてまとめてみました。インコが水浴びを始める時期は、羽毛が生えそろう生後1ヶ月くらいからです。もしインコが水浴びを全く好まない場合は、無理強いせず、見守ってあげてくださいね。

